フリーランス日本語教師のRinです!
今回のテーマは「直接法」と「間接法」についてです。
「直接法」とは、媒介語を使わずにすべて日本語のみで教える方法をいい、「間接法」は英語や学習者の母語を使って日本語を教える方法をいいます。
私は日本語教師の仕事をする前に、ヒューマンアカデミーさんの日本語教師養成講座に通っていたのですが、そこでは主に「直接法」による教授法を学びました。
今回の記事では、「直接法」「間接法」それぞれのメリットと私は現在どちらの方法で教えているのか、について書いていこうと思います。
直接法とは
直接法では、日本語のみを使って日本語を教えます。
日本語がまったくわからない初級者に対してもすべて日本語で教えることなんて、できるの?と思う人もいるかもしれません。
確かに簡単なことじゃありません。ですから、直接法の場合はとても入念な準備が必要だと言えるでしょう。
では、どんな準備が必要なのでしょうか。
- 絵カード(またはパワーポイントなど)の準備
- 既習語彙/文型だけを使ってシンプルに説明するための準備
主にこの2つです。
間接法の場合でも絵カードやパワーポイントは使う場合が多いですが、直接法になるとよりわかりやすいものが必要になります。
❷は簡単なようで意外と難しいです。
私は以前とある日本語学校の面接で模擬授業をしたことがありますが、「できるだけシンプルにわかりやすく」を心がけて授業をしたつもりが、授業後のフィードバックで未習語彙や文型を使いすぎとの指摘を受けました。
よっぽど意識しないと、ネイティブなので無意識に口から出てしまうんですよね。。
直接法のメリット
直接法は、最初から最後まですべて日本語しか使いませんから、リスニングの力が格段に上がります。初めは難しくても、だんだん耳が慣れてきて教師が毎回使う説明や指示などは簡単に聞き取れるようになります。
教師の質問が聞き取れるということは、学習者自身が質問をするときも日本語で質問ができるということですね。これはスピーキングの自信にも繋がると思います。
また、直接法で教える場合は学習者の国籍は関係ありませんから、こういった理由から、さまざまな国籍の学習者がいる日本語学校などでは直接法で教えている場合が多いのです。
間接法とは
間接法とは、英語や学習者の母語を使って日本語を教える方法です。
日本の義務教育の英語の授業では、日本語を使って英語を教える場合が多いのではないでしょうか。これが「間接法」です。
媒介語を使って説明をしなければならないので、教師の語学力が重要になります。できれば上級レベル、少なくとも中級は必要だと思います。
媒介語で説明ができるので、絵カードなどの教材は直接法ほど凝ったものはなくても大丈夫でしょう。
間接法のメリット
一番のメリットは学習者の理解が早いことです。
すぐに理解ができますし、わからないところも瞬時に質問して解決することもできます。
時間をかけずに簡潔に教えることができるので、マンツーマンのプライベートレッスンなどでは間接法を使う場合が多いです。
直接法で時間をかけて教えるより、媒介語を使ってわかりやすく短い時間で教えた方が効率がいいですよね。
ただ、直接法と比べて日本語を聞く時間、話す時間が少なくなりますから、学習者のリスニング力・スピーキング力が伸びにくいのが現実です。
文法の意味や使い方は理解しているのに話せないとか、書くことはできるけど話せないとか、そのようなことにならないように教師が工夫しなければなりませんね。
私がおこなっている教授法
さて、ここまでは「直接法」と「間接法」について説明をしました。それぞれにいい点・悪い点がありますから、授業スタイルに合わせて変えていけばいいと思います。
私は現在どちらの教授法で教えているかというと、「両方」です。
というのも、間接法で英語で教える場合、かなりの英語力が必要です。わたしはそこまで自信がないので、日本語で説明したあとに簡単な英語で補足する、という方法で教えています。
マンツーマンで教えている場合は、こういった融通も効くので、「英語ぺらぺらじゃないし・・・」と落ち込む必要はありません!
もちろん英語ができるに越したことはないですけどね。
それから、私は韓国語ができるので、韓国人学習者に対しては「間接法」で教えています。初級の前半くらいまでは、かなり多くの比率を韓国語で説明して理解を促していますが、ある程度進んだら(テ形を習得したくらいから)媒介語である韓国語の使用をぐっと減らして、できるだけ日本語を使うようにしています。
まとめ:直接法と間接法
プライベートレッスンをしている先生なら、実際に直接法と間接法を両方試してみて、ご自身のレッスンスタイルに合った方法を見つけてみるのもいいと思います。
絶対にどちらかじゃないとダメ!というわけではなく、直接法と間接法をいい感じにミックスして学習者がストレスなく楽しく日本語が学べる環境を作るのもいいですよね。
- 学習者のリスニング力・スピーキング力が伸びやすい
- さまざまな国籍の学習者に同時に教えられる
- わかりやすく簡潔に説明ができ、学習者の理解も早い
- 学習者がストレスを感じにくい
最後までお読みいただきありがとうございました♡