オンラインで日本語を教えていると、いろいろな学習スタイルの生徒さんに出会います。毎回違う先生のレッスンを受けている人や、1人の決まった先生とだけレッスンをする人、2,3人の先生を決めてローテーションでレッスンを受ける人など、人によってさまざまです。
私としては、毎回「初めまして」の学習者より、継続してレッスンを受けてくれた方が嬉しいです。
私が現在教えている学習者さんたちはレッスンを継続してくれる人が多く、ここ数ヶ月は新規生徒の募集を止めています。にも関わらず、毎月100レッスン近くのレッスンリクエストが入ります。
この記事を読めば
- 継続してレッスンを受けてもらうメリット
- そのために何をすればいいのか
- 私が実際にしていること
がわかりますよ!ぜひ参考にしてみてくださいね。
なぜ単発レッスンより継続レッスンの方がいいのか
まずは、レッスンを継続してもらうメリットから見ていきましょう。
会話の幅が広がる
初めて会う学習者は、話せてもせいぜい1時間程ですよね。知ることができる情報は名前や出身地、住んでいる場所、趣味、なぜ日本語を勉強しているのか、そんなところでしょうか。
私は初めての学習者との会話レッスンでは、主に今書いたような内容で会話をします。まだあまりその学習者のことを知りませんから、深い話はできません。
ただ、何度が継続して受けてくれている学習者の場合は、友達感覚で「この前話していたアレ、どうなりましたか?」など、もうその学習者についてよく知っていますから、話せる話題も倍増します。慣れてくると家族関係や友達関係の話をしてくれる学習者もいますから、どんどん会話のネタが増えていきます。
話が尽きない授業は理想的!
私は特に、1年近く継続してレッスンを受けてくれている学習者さんについては、好きなもの・嫌いなもの・興味のある話・ない話など、ほとんどの情報がわかっていますから「この話題はきっと盛り上がらないな」とか、逆に「この話はきっと好きだろうな」などを考えながら、その学習者さんに合った話題が提供できるようになりました。
学習者のことをより深く知ることで、その人に合った授業スタイルがカスタマイズできるようになるのです。
学習者のレベルアップが目に見えてわかる
レッスンをする度に少しずつ学習者の日本語レベルも上がっていきます。上達する速度は人によって違いますが、1回のレッスンで上達する幅はほんの少しです。そのため、数回レッスンを受けただけでグンと上達したことを感じるのは難しいですし、それを学習者に感じてもらうためには教師のテクニックも必要です。
しかし、継続してレッスンを受けている学習者は、初回レッスンと比べた時の『上達した幅』が大きいですから「こんなに上手になった!」というのを感じやすいです。
教師側も学習者側も「ぐんぐん上達している」ことを感じやすいですから、より楽しいレッスンになるはずです。
ひらがな・カタカナから習い始めた学習者が、今では短くて簡単な文章なら読み書きができるようになりました。レッスンの度にこの学習者が言うことは、
自分が日本語を読んでいるなんて、信じられない!
と、感激しながら言ってくれるのです。教師冥利に尽きますね。
上達が目に見えてわかることは、教師にとっても学習者にとっても本当に幸せなことです。
そのためにレッスンを「継続」してもらう必要があるんだね。
既習内容を振り返って一緒に復習ができる
単発のレッスンだった場合、「この文型は習いましたか?」「これは知っていますか?」など授業を進めながら確認する必要がありますが、自分のレッスンを長く受講してくれている学習者さんの場合は、既習・未習がすべて把握できています。
学習者さんが既習文型を忘れてしまった時でも「(いつ/何ページで)勉強しましたよね」とスムーズに確認を取って復習しながら授業を進めることができます。
例え習ったことを忘れてしまってもすぐに振り返りができるのは、学習者としても安心だよね!
レッスンを継続してもらうための3つのポイント
では、レッスンを継続してもらうために何をすればいいのでしょうか。
私が実際に行っていることを3つご紹介します。
難しい知識や技術は不要で、すぐにでも始められる簡単なことばかりだよ!
【その1】学習者のゴールはどこなのか見極め、ビジョンを伝える
もし自分が学習者だとして、
この先生と勉強を続けていったところで、果たして本当にしゃべれるようになるのかな?
と思う先生とのレッスンとは続けたくないですよね。
初回のレッスンでしっかりと学習者のゴールを見極め、そのためにどんなレッスンができるか、そして「こういう流れでレッスンをしましょう」と学習者に伝えることが大切です。
初めからとても細かく伝える必要はありません。伝えることで、学習者の中で学習の方向性やビジョンが見えてくるはずですから、おおまかに説明するだけでも効果はあります。
ここでしっかりと目標を立ててくれる先生なら、学習者も「一緒にがんばれそう!」と思ってくれるでしょう。
【その2】レッスンの余韻を残す
学習者に「え?もうレッスン終わり?」と思ってもらうことが理想です。
レッスンが始まった時は話すこともたくさんあるし会話も盛り上がるけど、レッスンが終わりに近づくにつれてネタがなくなってフェードアウト・・・なんてことになっていませんか?
フェードアウトではなく
フェードイン
にしましょう。
レッスンの後半に盛り上がりがある方が“レッスンの余韻”が残りますから「日本語が話せて楽しかった」という感覚が鮮明に残ります。
もし難しい場合、気を付けるのはレッスン時間の残り10分だけでもいいです。
とにかく大事なのは
楽しいまま終わらせること
です。特にレッスンの後半で学習者にたくさん話してもらって「日本語でたくさん話せたな〜♪」という余韻が残ったままレッスンを終えましょう^^
フリートークで使えるテーマについてはこちらの記事にまとめています!
【その3】成長を感じてもらう
オンラインで語学を学ぶ人がレッスンを1年継続する確率は、一説には10%以下とも言われています。レッスンが継続できない理由のひとつは「成果が感じられない」こと。
教師はただ教えるだけ・楽しくレッスンをするだけでなく、「こんなことができるようになりましたね!」と、学習者に成長を感じてもらわなければなりません。
数回レッスンをしている学習者なら比較的成長が感じられやすいかもしれません。でも、例え1回のレッスンだったとしても成果を言葉で伝えてあげます。「今日はこれが言えるようになりましたね」と言ったり、もしすでに他で勉強した文法が上手に使えていたら「難しい言葉を知っていますね」「どこで習ったんですか?」など、リアクションをして成長を感じてもらいましょう。
教師にとっては小さいことでも、学習者にとってはそれが大きなやる気に繋がります。「先生のお陰で成果が出た!」と感じてもらいたいですよね^^
どんどん成果を言葉に出していきましょう♪
まとめ:レッスンを継続してもらう秘訣
- 会話の幅が広がる
- 学習者のレベルアップが目に見えてわかる
- 既習内容を振り返って一緒に復習ができる
私が実際にしていることはこの3つ!
- 学習者のゴールを見極め、ビジョンを伝える
- レッスンの余韻を残す【盛り上がりは後半に!】
- 成長を感じてもらう
今日からすぐに始められることばかりですよね。なかなか固定の学習者さんがつかない・・・という方はぜひ試してみてください^^
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