日本語教師養成講座で学んだことのある人なら、教案の作り方や書き方を勉強するので、「授業=まずは教案づくりから!」というイメージがあるかもしれません。
学校で複数の学習者に同時に教える場合は、決まった進度やカリキュラムがありますから、しっかりした教案が必要ですよね。
でも、オンラインでマンツーマンで教える場合は、授業の進度は早くても遅くても関係ありません。学習者ひとりひとりに合わせて進めていいのです。ですから、私は教案を作っていません。
教案がないだけで授業準備がかなり楽になるよ!
教案って何のために作るの?
そもそも日本語教師の「教案」とは、何のために作るのでしょうか。
教案に盛り込まれている内容はザッとこんな感じです。
- 授業の時間配分
- 今日の授業の目標
- 使う教材
- 教師が話すことの流れ
- 学習者からの質問(想定)
- その答え方
けっこう盛りだくさんだね!
特に④の「教師が話すことの流れ」については、教師と学習者の会話のセリフがそのまま教案に書かれているので、授業に慣れていない新人教師だととても役に立つのではないでしょうか。
⑤と⑥の学習者から来るであろう質問とそれに対する答えもあらかじめ準備しておくのはとてもいいと思います。
教案に代わるものを作ろう
では、オンライン日本語教師は教案をいっさい書かなくていいのでしょうか。
答えはノー!です。
教師によってさまざまな授業スタイルがあるのと同じで、教案についても人それぞれ違うと思います。ここでは私のやり方をご紹介しますね。
まず、私は養成講座で習ったようなしっかりとした教案は作っていません。
その代わり、課ごとに絶対必要なことを手書きでノートにメモしています。きれいに書く必要はなくて本当に「メモ」です。授業をしながら追加したいことや思ったことがあったら、その都度そのメモを書き足しています。
また、みんなの日本語1課〜50課の中で、自分が苦手な文法説明についてはかなりていねいにノートを書いておきます。よくされる質問も、メモしています。
逆に、「時間配分」や「教材」についてはまったく書いていません。
「時間」は、学習者によって全然異なるので時間配分を書いても役に立たないですし、「教材」は、私の場合はすべてGoogleスライドで作っているので、その情報も必要ありません。
必要ないものはどんどん端折って授業準備をラクにしたいよね!
教案を作らないメリット
当たり前ですが、教案がないことによって授業準備が格段に楽になります!その分、スライドを凝ったり、教材作りに時間を費やせるので、学習者にとっても良いレッスンが受けられるのは本当にメリットですよね。
また、決まった時間配分や、決まった授業の流れはありませんから、学習者ひとりひとりに合わせたオリジナルの授業ができます。
私はこの「自由さ」が好きです。
学習者が苦手な箇所をもう少し広げて何度もやってみたり、会話が盛り上がったら少し授業を脱線して話し込んでみたり…^^
あと、教案がないので目線が下にいかずに学習者に目を向けながら話せるのもいいですよね。
まとめ
私はフリーランスとしてオンラインで日本語を教えていますが、きちんとした教案を作ったことはありません。
ただ、まったくゼロというわけではありません。
自分に必要な情報のみを手書きでメモしておくだけで十分です!
- 文法説明で特に気を付けること
- 学習者からよく聞かれる質問と答え
私がメモしておくことは主にこの2つのみ。
時間配分や「セリフ」を事細かに書くことはしていません。
授業準備をシンプルにして、できるだけ教師の負担を減らしたいよね!