日本語教師の仕事についてある程度知っている人なら「日本語教師=授業準備が大変」というイメージがあるかもしれません。
確かに、一度に大勢の学習者に教える日本語学校の教師の場合は、学校のカリキュラムがあったり、いつまでに何課まで終わらせなければならないというリミットがあったりするので、そのための授業準備に時間がかかります。
ただ、これは「学校教師」の場合。
私はフリーランスで、オンラインで1対1で教えているので、学校の授業準備とはかなり異なると思います。
ここでは私の授業準備についてご紹介するよ!
オンライン日本語教師に教案は必要か
教案といえば、養成講座に通ったことがある人ならわかると思いますが、本当に作るのが面倒ですよね・・・。授業の流れとともに、一語一句ドラマの台詞のように教師や学習者が言う言葉を書くんですよね。私も養成講座に通っていた時にみっちりと教え込まれ、模擬授業でも完璧な教案の提出を求められました。
当時は、ペーペーの教師の卵だったので、授業の流れがすべて紙に印刷されていてその通りに読めばいいんだから、教案ってめっちゃいいじゃん!なーんて思っていたのですが、今なら声を大にして言えます。
アレ、意味なくね???
「意味ない」とまで言ったら怒られそうですが、実際の授業では教案どおりにいかないことも多いしイレギュラーなことも起こりますよね。台詞を書くなんて無駄なことはしなくていいと思うのです。
ただ、全く何もないわけではなく、私の場合は授業の流れやポイントなどを箇条書きでまとめてある「教え方カンペ」のような小さいノートを手元に置いて授業をしています。
そこには、日本人でも間違えそうな細かい文法の違いや、わかりやすい説明の仕方、間接法で教えるときのための英語のメモ、なども書いています。生徒さんに難しい質問をされたときも、書き足すようにしています。次に同じ質問をされたら役に立つからです。
このように、めちゃくちゃ長い教案を1課ごとに作る必要は全然なくて、その課の大事なポイントや教える順序、間違えやすい誤用などをメモ程度に書いておいて、それを見ながら自分の言葉で説明すれば十分です。
「台詞」の教案があると、どうしても目線が下にいってしまいがちになるのも良くないですしね!
私の実際の授業準備
オンライン教師は、それぞれの教師が独自のレッスンスタイルを持っていますよね。教科書を使う場合、同じ教科書を学習者にも買ってもらってレッスンを進める先生もいますが、私の場合は教科書を持っていない学習者でもレッスンが受けられるように、教科書に沿ったスライドを準備しています。
大変なのは最初だけ
私は「みんなの日本語」を使ってレッスンをしています。
全50課分、教科書をベースにしたスライドを作っています。オンラインで教え始めた時はまだすべてのスライドが完成していなかったので、レッスンに間に合うように必死にスライドを準備していました。レッスンが無い日もずっと準備していました。
でも、50課すべてのスライドが完成している今は、ほぼ授業準備はいらなくなりました。すべてのファイルがパソコンに入っていて即座に開けるので、極端な話、授業前の数分(数秒!?)で準備が終わるのです。
デジタル教材のいいところは、全部作り終わったあとでも簡単に修正できるところですよね。「この文法はもうちょっと時間をかけて教えたい」と思えばスライドを足せばいいし、逆に飛ばすことも可能です。
オンラインで日本語教師を始めたばかりの先生は、本当に準備が大変だと思いますが、1年ぐらい経てば準備が格段に楽になるはずです!
トライアルレッスンの準備
1課〜50課まですべての教材(スライド)がパソコンに入っていて、本当に便利だなぁと思ったのがトライアルレッスンの時です。
トライアルレッスンはitalkiで導入されているレッスンで、その名の通り初回の学習者が「お試し」でレッスンを受けることができるものです。
レッスンリクエストを受けたあと、こちらから日本語レベルを伺うために連絡をして、返事をくれる学習者さんもいますが、レッスン当日まで音沙汰なしの学習者もいます。
全く日本語が喋れないのか、はたまたペラペラなのか、全然わからない時もあるよ!
こんな状況だと授業準備が全然できませんね。
そこで役立つのが、作ってあるスライドなのです。
レッスン中に学習者と少し会話をして、だいたいのレベルがわかったら「試しに◯課やってみよう」とパパッとファイルを開いてすぐに始められます。
これは本当に助かる!
会話レッスンの準備
会話のレッスンでは教科書を使わないので、基本的に教材はありません。
ただ、私は会話レッスンで使えそうなテーマもスライドにまとめています。あまり会話が得意じゃない生徒さんの為にイラスト入りで会話を引き出すようなスライドも作っています。
1度作っておけば、何度でも使い回しができるので、おすすめです。
私が今までのレッスンで使った会話テーマについて、こちらの記事にまとめてあるので、良かったらご参考ください^^
まとめ:オンライン日本語教師の授業準備
私の場合は教案は作らず、授業のポイントや大事なところだけ箇条書きでメモして、それを見ながらレッスンをしています。
オンラインで教える場合は必然的にデジタル教材が必要になると思います。1度作ってしまえば何度でも使えるので、最初は大変ですが良いものを作っておくと、あとから便利です。今の私はレッスン前の準備は数分程度で終わります。
授業準備が要らない分、その時間をレッスンをより良くするための「授業分析」の時間にも充てられて、結果良いレッスンができるようなりますよね。
最後までご覧いただいたみなさま、ありがとうございました♡