みなさんは「する」と「やる」をどのように区別して使っていますか?この記事ではこの2つの違いについてまとめていきます。
なんとなくの違いはわかるけど、説明するとなると難しい…!
「する」の意味
- ある状態や存在が感じられる。
- あること・動作・行為などを行う。
- 人や物事を今とは違った状態のものにならせる。
- 身につける。
- 決定する。選んでそれに決める。
「する」を使った例文
- カレーのにおいがする。/寒気がする。【ある状態や存在が感じられる】
- 運転をする。仕事をする。【動作・行為などを行う】
- 彼を生徒会長にする。/肘を曲げて枕にする。【今とは違った状態のものにならせる】
- マスクをする。/時計をする。【身につける】
- 私は、コーヒーにする。【選んでそれに決める】
「やる」の意味
- そこへ行かせる。送り届ける。
- 目下の人や動物に与える。
- 何かをすることを広く、または漠然と言う。
- 口にする。酒やタバコを飲む。
- 失敗する。
- 物事をうまく成し遂げる。
「やる」を使った例文
- 子供を大学へやる。【そこへ行かせる】
- 鳥に餌をやる。【目下の人や動物に与える】
- 宿題をやる。【何かをすることを広く、または漠然と言う】
- ちょっと一杯やる。【酒やタバコを飲む】
- またやってしまった。【失敗する】
- ついにやったぞ!【物事をうまく成し遂げる】
「する」しか使えない文の例
⭕️ 父はいつも大きなくしゃみをする。
❌ 父はいつも大きなくしゃみをやる。
⭕️ 彼女はいつも大きな失敗をする。
❌ 彼女はいつも大きな失敗をやる。
人や動物などの「自分の意思に関わらない行為」については通常「する」を用い、「やる」を使うことはできません。
加えて、「やる」のヲ格名詞は主に動作性、意志性、具体性、継続性の高い行為を表すものに限定されるという違いもあります。例えば、「努力」、「判断」、「無理」、「我慢」、「失敗」などは「やる」のヲ格名詞になることができません。
⭕️ 女性たちが楽しそうに話をしている。
⭕️ 佐藤さんと長谷川さんが結婚した。
⭕️ 明日一緒に遊ぶ約束をした。
上記の3つの分はすべて「する」を使い、「やる」を使うことはできません。動作性、意志性、具体性、継続性(のいずれか、または全て)の低い相互行為は、通常、「する」のヲ格名詞となります。
「やる」しか使えない文の例
⭕️ 私は小学生の頃、ピアノをやっていた。
❓ 私は小学生の頃、ピアノをしていた。
⭕️ 大学で言語学をやりたい。
❓ 大学で言語学をしたい。
「ピアノ」「言語学」など、勉強や研究に関する具体的な分野や領域を表す名詞は「やる」を使った方が自然です。
「ピアノをやる」という文は、もの(ピアノ)を表す名詞によって、そのものを用いた行為(ピアノの演奏)を表しています。同様に「言語学をやる」という文も、もの(言語学)という名詞によって、それを用いた行為(言語学の研究)を表しているのです。
もう1つ例をあげると、「今日の夜8時から音楽番組をやる」という文は、『音楽番組を放送する』という意味を表しています。
まとめ:「する」と「やる」の違い
- ある状態や存在が感じられる。
- あること・動作・行為などを行う。
- 人や物事を今とは違った状態のものにならせる。
- 身につける。
- 決定する。選んでそれに決める。
- そこへ行かせる。送り届ける。
- 目下の人や動物に与える。
- 何かをすることを広く、または漠然と言う。
- 口にする。酒やタバコを飲む。
- 失敗する。
- 物事をうまく成し遂げる。
「する」と「やる」について紹介しました。この違いは、学習者が混乱しやすいですから、教師の頭の中でしっかり整理しておきたいですよね。
最後までお読みいただきありがとうございます♡