日本語を教えていると、ネイティブの日本人ではなかなか思いつかない質問をよくされます。似ているけど違う2つの言葉、なんとなく違いはわかるけど説明するとなると難しい・・・というものがたくさんあります。
今回はこちら!
「図書館へ行く」?「図書館に行く」?どっちを使えばいいの?
とーってもよく質問されます!
初めて質問を受けた時は、ひぇ〜っとテンパってしまい上手に説明ができなくて「先生の宿題にさせてください・・・」と言って持ち帰らせてもらいました。
「に」と「へ」の決定的な違い
「〜に行く」は到着点が重要!
この「に」が表すものは「goal, target」です。
例えば「図書館に行く」は、本を読んだり勉強するという目的で図書館へ行くという意味になります。最終目的地は「図書館」です。
到着する場所に焦点を当てた表現です。
「〜へ行く」は 方向やそこへ行くまでの過程が重要!
この「へ」は「方向」を表します。
例えば、「図書館へ行く」は、図書館の方へ行く というニュアンスになります。
「〜に」はピンポイントで到着場所に焦点がありますが、「〜に」はそれよりもっと広い範囲を指します。
そのため、「南へ行く」「東京方面へ行く」という文は「〜へ」の方がしっくりきます。
学習者にどうやって説明する?
初級学習者に上記のような説明をしてもちんぷんかんぷんですよね。質問に対する回答をするときも、難しい言葉を使ったり細かい説明はあまりしません。中級以上だったら細かくニュアンスの説明や場合によっては言葉の由来を話しても興味を持ってくれると思います。
「〜に」は goal! target! 「〜へ」は direction!
このように初級学習者にはめちゃくちゃシンプルに説明しています。そして例文をたくさん提示して、その状況を想像させます。だいたいの学習者はこの説明で納得してくれます。もし、直接法ではなく間接法で教えている場合は、媒介語を使ってもっと詳しく説明してもいいと思います。
まとめ
到着地点に焦点を当てている。goal や target を表す。
「〜に」よりもっと広い範囲を指す。到着点 + その周辺 + そこへ行くための過程も含んでいる。direction を表す。
いかがですか?実際に私が日常使うときは「〜に」も「〜へ」も特に意味を考えずにごちゃまぜで使っているような気がしますが、文法上はこのような明確な区別があるのです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました♡