オンライン日本語教師の仕事内容は「日本語を教えること」ですが、授業内容は大きく2つに分けられます。
教科書や問題集に沿って文法を勉強したりJLPTなどの試験対策をする授業と、特に決まった教科書は使わずに会話つまりフリートークのみの授業があります。
どちらを得意とするかは教師によって異なると思うのですが、私は・・・文法レッスンの方が好きです。
というのも、文法のレッスンは教科書に沿って教えればいい反面、会話の授業だと決まった教科書がないので教師がすべて作り上げなければなりません。(最近は会話授業用の教科書も多く出版されていますから、とても役立ちますね!)
ちなみに、こちらの記事でフリートークのテーマについてまとめてあるので、ネタ不足に困っている方はぜひ読んでみてください。
今回の記事ではフリートークの授業で大事なポイントをまとめました。これから会話授業を始める方や、授業がうまくいかなくて悩んでいる方はぜひ読んでみてください。
参考になったら嬉しいな♪
フリートークのレッスンで大事なこと
私のレッスンは生徒さんによって授業の進め方が全然違います。
文法を教える場合は教科書と教材がありますから、どの生徒さんのレッスンもだいたい同じ流れで進めています。
では、なぜ会話の授業は生徒さんによってレッスンスタイルがかわるのでしょうか。生徒さんによって変えなければならないことはどんなことがあるでしょうか。
確認しなければならないことがたくさんあるよ!
学習者が伸ばしたいスキルを把握する
フリートークのレッスンスタイルのひとつでよくあるのが、短い記事を読ませてそれについて会話をするというもの。記事を読む→内容把握→話す、とバランスがいいですよね。私のレッスンでもよく取り入れています。
しかし、「とにかく1時間たくさん話したい」という生徒さんには向いていません。そのような生徒さんに対しては、授業時間内に読ませるのではなく宿題という形にして事前に読んできてもらうとか、何か対策が必要になりますね。
「読む」ことには別に重点を置いていないという生徒さんには、記事を見せずに会話の中でニュースの話をして、1時間まるまる会話だけをします。
このように、生徒さんのニーズによって臨機応変に授業の進め方も変えていきます。
メモ魔になれ!
すごいタイトルですが(笑)
会話の授業は、1回目からいきなり生徒さんにドンピシャなレッスンをするのは難しいです。なぜなら生徒さんに関する情報が何もないから。
レッスンをしながら生徒さんの情報を知っていき、回数を重ねるごとにその生徒さんにぴったりな授業スタイルを見つけていくのです。
会話の中でたまたま生徒さんから出た情報はどんな小さなことでもいいのでとにかくメモしておく!これが後々トークテーマを決めるときに役立ったりします。
ちなみに、メモをしておくと同じ質問を2度してしまって失礼なことをする危険性もなくなりますし、生徒さん側からしても「前にチラッと言ったことを覚えててくれた!」と嬉しい気持ちにもなりますよね。
目指せ!メモ魔!
授業のフィードバックは授業中に作る
会話の授業が終わったあとは生徒さんにフィードバックを送りましょう。私は1枚のシートにまとめてPDFで送るようにしていますが、書く内容はだいたいこんな感じです。
- 今回話したテーマ
- 間違えた言葉
- 新しい言葉
- 特記事項(あれば)
ただ、授業が終わってから記憶をたどってこれらを全部書くのは至難の技です。次に他のレッスンが入っている場合はそんなことをしている時間もありませんよね。
ですから、私はzoomで会話をしながら同時進行でシートに打ち込んでいます。あまりにもカタカタカタカタ打ってばかりだと「この先生会話する気ある?」と思われてしまうかもしれないので、バランスは大事に。すべてを打ち込むというよりは、つまずいた文章とか、わからなかった単語とかをササッと打つ感じです。だいたい打っておけば、授業後のフィードバックもとても楽になりますからおすすめです。
ちなみに、生徒さんによっては、授業時間内につまずいた文章や新しい単語を目で見て確認しながら会話をしたいという人もいますから、そのような生徒さんにはフィードバック用のシートを画面共有して生徒さんにも見えるようにして打ち込んでいます。
学習者にたくさん話させればいい!というわけでもない
会話の授業と言えば、とにかく生徒さんにたくさん話してもらう、というのが常識のようになっていますよね。私もそう思っていますし、なるべく教師がたくさん話しすぎないように注意しています。
しかし、ある生徒さんにこんなことを言われました。
私ばかり話しているので、先生も話してください!聞き役にもなりたい!
この時にはっとしました。
今までは「会話授業=学習者がたくさん話す」ものだとばかり思っていましたが、確かに日常生活で「聞き役」の存在も大事だよなぁと。
日本語のあいづちや間なども勉強できるし、聞く力も身に付くし、大事なことですよね。
生徒さんにたくさん話してもらうために、教師がたくさん質問をして聞き役になればいいっていうわけではないんです。バランスが難しいですよね。
かと言って、教師と生徒の話す割合が完全に50:50というわけではありませんが、教師が完全に聞き役に徹するというのではなく、教師が自分の意見や情報を話す時間があってもいいし、生徒さんに質問をしてもらう時間を設けてもいいと思います。
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事を読んでお気づきの方もいるかもしれませんが、
会話授業に正解はありません。
文法の授業のように教案がありませんから、生徒さん1人1人に合わせて授業をカスタマイズしていく必要があります。
大事なポイントはこの4つ!
- 学習者が伸ばしたいスキルを把握する
- メモ魔になれ!
- 授業のフィードバックは授業中に
- 教師は聞き役ではない
これらを意識して、楽しい会話レッスンにしていきましょう♪
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。